いと。

「どういうこと!?」

書斎の扉をノックもせずに開けて息巻いてそう言うと、部屋着姿でソファで経済新聞を読んでいた父は目を細めて私を一瞥し、また手元に視線を戻した。

「…なんの話だ?」

「とぼける気!? LINKのことよ!店長に何を言ったの!?いきなり解雇なんてあんまりでしょ!?」

店長は泣いていた。あんな風にさせてしまうなんて…とてもじゃないけど許せない。

「LINK……………そうか。なるほど。

…愛。それは私ではない。だがいい機会じゃないか。

覚悟を決めて結婚すればいい。それだけのことだろう。」

…この人じゃ……ない!?

新聞から視線をあげて私を見る目は勝ち誇っていた。

「………何度言われたって何をされたって私はこの家の…あなたの人生の犠牲になんてならない。

ここにも………もう二度と来ない。」

誰がこんなことをしたか大きな疑問は湧いたけれど薄笑いを浮かべてそう言った父を見ているとめまいがしてくるようで、私はそれ以上は何も言わず帰った。


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