いと。
「眞城さん、おはよ。早速だけどギフト入ってるのよ。手伝いお願いね。」
40代には見えない若さと上品そうな笑顔、パリッとした清楚さを持つこの人が店長だ。
作業台を兼ねた大きなレジカウンターの台の上にはティーカップの箱が10個あり、店長はその2個目をクリーム色の包装紙とロイヤルブルーのリボンでキレイにラッピングしていた。
「わ、こんなにですか。了解です。」
包装紙と箱を手に取り包み始める。
数ある仕事の中でも大好きだし、得意分野のギフトラッピング。
でも…隣の店長には敵わない。
それどころか流れるようにスルスルとただの箱を素敵なギフトに変えてしまうこの人は本当に魔法使いのような手を持っているといつも思ってしまう。
そう、彼女は私の目標でもあった。
手に取る人に楽しさや嬉しさ、喜びを与え、生活を彩る雑貨たち。
『いつか小さくてもいいから店長のように、自分で選んだ雑貨たちを並べた自分の店を持ちたい』
そんな願いを、ここで働くうちいつからか抱くようになっていたから。