いと。

愛があいつの名前を口にした途端、湧き上がった抑えられない感情。


それはきっと………嫉妬だ。


そっと、唇に触れる。そこにはまだ口づけた感触が残っている気がした。

柔らかくてふっくらした触れ心地のいい唇。

宥めるために咄嗟にしたことだけど、理由の半分以上は嫉妬だった。

その身に触れるたび、いろんな表情や仕草を見るたび、気づかされる自分自身の感情。

オレは彼女を………?

……ダメだ。あいつはただのコマ。

それ以外の感情は持つべきじゃない。

それなのに………。

どうしてこんなに、イライラするんだろう。


< 327 / 561 >

この作品をシェア

pagetop