いと。
「…なんかいいもんでも映ってんのか。」
「わっ!………お帰りなさい。いいもんなんか何もないですよ。どこの灯りも、私には関係ないですから。」
背後から至近距離で突然聞こえた声に思わず距離を取ってしまう。
「…ふぅん。ま、そんなもんだろ。」
戸澤さんはそう言いながらジャケットを脱いでネクタイを外すと、
「今日は何?」
そう言いながらキッチンに入っていった。
夕食のほとんどをスープで済ませる最近の私は、帰りが遅くいつになるかわからない彼の分も一緒に作るようになっていたのだ。
ただ黙ってお世話になってしまっている後ろめたさを少しでも軽くするためでもあり、疲れて帰ってきた後の夜食にでもなればいいと思っていた。
「あ、今日はクラムチャウダーです。豆乳使ったのでヘルシーですよ。」