いと。
「ねぇ。曜は何を守ろうとしてるの?」
それは冷えた彼女を連れて帰り、温かいコーヒーを渡してソファに並んで座った時だった。
その瞳には確かにオレが映っていて、親父に何を言われたのか……何かを感じ取ろうとしている様子だった。
「……………。」
「………曜?」
訝しげにその瞳が揺れる。
「あぁ。………なんで守ってるって思ったんだ?」
「だって………。はっきり言ってあの人、私の父と同じ人種だよ。
その下で我慢して言うことを聞いているためには明確な目的があるんじゃないかって思ったの。
血の繋がった親子とはいえ、曜の性格で大人しくいいなり…ってのはちょっと納得いかないなって。」
「………なるほど。守る………か。」
『守る』
自分で口にして気づいた。
今、何を差し置いても守りたいもの…それはひとつだ。
「……………いと。」
「え?」
「愛を守りたい。」
自分がこんな風に彼女を求めるなんて。でも、確かに他にはなかった。
「ただ、やらなきゃならないことはある。
知りたいのはそれだろ?」