いと。
「……え?」
翌朝、京都の彼女の母親のところに電話をして愕然とした。
電話に出た家政婦の女性は、愛は昨日帰ったと話した。
『えぇ。昼前には。とても沈んだお顔をなさっていて。
……あ、お待ちください。奥様が。』
「え?あぁ…。」
代わって出たのは、愛の母親だった。
『………曜、さん…ですね。』
静かな、ハッキリとした女性の声。愛の声と似ている気がする。
「はい。そうです。初めまして…。」
『……………。』
「あの……。そちらに昨日、愛が行ったはずなのですが自宅に戻りません。
どちらか行き先をご存知…」
『愛はそちらには戻らないでしょう。
結婚は白紙です。
…あなたも愛のことは忘れなさい。』
「…は?何を…っ!?」
電話は、一方的にプツリと切られた。