いと。
「…はい!?……引退!?」
それは眞城社長からの電話だった。
全ての真実を父の口から聞いたあの日からまた幾日か過ぎた頃のことだった。
『そうだ。今週中には内密に引き継ぎを終わらせすみずみまでの視察の名目で愛を探しに出る。』
「今週って………」
今日は水曜日、あと半分しか…ない。
その決断力と行動の早さに絶句する。
やっぱり愛は、この人の娘だ。
『君ひとりよりふたりの方が効率もいい。
私も………娘を、取り戻したいんだ。』
初めて聞いた、愛を思う気持ちだった。父が余計なことをせず、穏やかに暮らしていたならきっと…いい親子でいられたはずなんだ。
「………わかりました。」