いと。

愛とは毎日会っている。

仕事の帰りは必ずバーに寄るように言ってあるし、休日は俺の所に泊まって、一緒に過ごしている。

あれ以来何かがあったとは言ってこないし、様子も変わらない。いつもどうりだ。

…食が乱れていそうなことを除けば。

じゃあこの男は?俺を探ってるのか?

向かいに立ち、グラスを拭きながらそう考えているとそいつは『ふっ』と笑った。

「……ピンクシルバーのリング、彼女の白くて細い指にもよく似合ってるな。」

「………………」

勝ち誇ったような視線を一瞬こちらに向け、カウンターに札を置くとさっさと帰っていった。

……あいつ、ペアリングを…。

ってことは、既にもう愛と会っているということか。でもそんなこと愛は一言も言っていない。

…つまりそれは、あいつがどこかで素性を隠して接触していることを意味している。

誰だ?俺の知らない所で何が動いている?

でももし…

誰かが愛を傷つけようというのなら…俺が守る。愛は誰にも渡さない。


あいつの『愛しいひと』は俺だけだ。


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