常務サマ。この恋、業務違反です
「あんな強引に……。子供みたいにみっともない嫉妬して、本当に悪かった」


私と目線を合わせられないまま、耳まで赤くして謝るシャイな姿。


ああ、これが私が知った高遠さんだって思ったら、言いようもなく胸がキュンと締め付けられた。


ドキドキ、と。
穏やかに、いつもより速いペースで鼓動が打ち鳴るのを感じる。
それすらも微妙な緊張感を漂わせていて、何故だか心地良く感じる。


ああ、私……。


今は何も考えられない。


今この胸に溢れる熱い想い。
大事にしたいのは、それだけだとわかる。


「高遠さんがそんなに忘れたいなら、私も忘れます」


気持ちを落ち着かせながらそう言うと、高遠さんが少しだけホッとしたように表情を歪めた。
それを意識しながら、でも、と付け加える。


「高遠さんが私に言ってくれた言葉だけは、忘れたくありません」

「えっ……」


反射的に真っ直ぐ私を見つめた高遠さんに、ドキドキしながら微笑んで見せた。


「だって、嬉しかったから」


高遠さんにつられて私まで頬が熱くなる。
その理由が、いろんなしがらみを拭き散らして、怖いくらい素直な言葉になって私の口を突いた。
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