常務サマ。この恋、業務違反です
閑静な住宅街のど真ん中。
タクシーから降りた私は、目の前のこじゃれた一軒家を見上げてほおっと息をついた。
料金を払って後から降りた高遠さんが、そんな私を見てクックッと笑っている。
背後で、タクシーが走り出す音が聞こえた。
「何呆けてるんだよ。ほら、入れ」
立ち竦む私を追い越して、高遠さんは門に手を掛けた。
そして奥の玄関に向かって行く。
私は慌ててその後を追った。
「こんな立派な家があるのに、週末しか帰らないって勿体無いですね」
大きく開いたドアを手で押さえながら、高遠さんは私を玄関に誘ってくれる。
ほとんど素で言った私に、高遠さんは肩を竦めながらドアを閉めた。
「そうか? 税金がかかるだけの無駄な建物だと思うけど」
「そんな現実的なこと言わないで下さいよ。
私、頑張って高遠さんのスケジュール少しでも楽にしますから。そうしたら、平日もここに帰って来れるでしょう?」
廊下を先に進んで行く高遠さんの背中を追いながら、私もヒンヤリした木の床に足を踏み出した。
突き辺りのドアを開けて壁に手を滑らせて電気を点けると、高遠さんは少し身体をどけて私を中に入れてくれた。
「わあ……」
ほとんど誰も住んでいない家なのに、リビングの家具はとても立派だった。
何十インチかもわからない大画面のテレビに、品のいいダークブラウンの二人掛けソファが二脚。
入って右側の壁には立派な暖炉があって、子供の頃夢中で観た、海外物のアニメのお金持ちの子供の家を思い出した。
タクシーから降りた私は、目の前のこじゃれた一軒家を見上げてほおっと息をついた。
料金を払って後から降りた高遠さんが、そんな私を見てクックッと笑っている。
背後で、タクシーが走り出す音が聞こえた。
「何呆けてるんだよ。ほら、入れ」
立ち竦む私を追い越して、高遠さんは門に手を掛けた。
そして奥の玄関に向かって行く。
私は慌ててその後を追った。
「こんな立派な家があるのに、週末しか帰らないって勿体無いですね」
大きく開いたドアを手で押さえながら、高遠さんは私を玄関に誘ってくれる。
ほとんど素で言った私に、高遠さんは肩を竦めながらドアを閉めた。
「そうか? 税金がかかるだけの無駄な建物だと思うけど」
「そんな現実的なこと言わないで下さいよ。
私、頑張って高遠さんのスケジュール少しでも楽にしますから。そうしたら、平日もここに帰って来れるでしょう?」
廊下を先に進んで行く高遠さんの背中を追いながら、私もヒンヤリした木の床に足を踏み出した。
突き辺りのドアを開けて壁に手を滑らせて電気を点けると、高遠さんは少し身体をどけて私を中に入れてくれた。
「わあ……」
ほとんど誰も住んでいない家なのに、リビングの家具はとても立派だった。
何十インチかもわからない大画面のテレビに、品のいいダークブラウンの二人掛けソファが二脚。
入って右側の壁には立派な暖炉があって、子供の頃夢中で観た、海外物のアニメのお金持ちの子供の家を思い出した。