常務サマ。この恋、業務違反です
「素敵! 私子供の頃、こういうの憧れたんですよ! 日本の家に本当にあるなんて思わなかったなあ」
ついはしゃいで暖炉に駆け寄る私に苦笑しながら、高遠さんは上着を脱ぐと無造作にソファに放り投げた。
「なんか飲む?」
少し声が遠くなって行くのを感じながら、私は振り返った。
カウンターキッチンの奥に進んで行く高遠さんの背中がチラッと見える。
「あ、いいえ。いらないです。何も」
そ?と短い声が返って来る。
カウンター越しに姿を現した高遠さんは、浄水器のついた蛇口からグラスに水を注いで、そのまま喉を仰け反らして一気に飲み干した。
フウッ息をついて、軽く口元を手の甲で拭う仕草に、思わずドキッとしてしまう。
私は慌てて目を逸らした。
良く考えたら……私、ここに来たところで、高遠さんの何をどう監視すればいいんだろう?
そう首を傾げた時、高遠さんが近付いて来る足音が聞こえて、一瞬ギクッと身体を強張らせた。
「ん? どうかしたか?」
「いえ、な、何もっ」
反射的にそう答えながらも、しゃがんだ体勢のまま振り返れない。
私ってどこまで煩悩の塊なんだろう、と自分を諌めながら、なんとか気持ちを抑えて立ち上がった。
「ほ、ほらっ! 高遠さん、ちゃんとお風呂入って、ゆっくり休んで下さい」
パン!と乾いた大きな音を立てて手を叩いてから、私はクルッと振り返った。
私の少し前で向き合っていた高遠さんが、きょとんと目を丸くしている。
「この時間から? 面倒臭いな」
「そ、それならシャワーだけでも!」
「……じゃ、一緒に入るか?」
突然向けられた言葉が信じられずに、私はバカみたいに何度も瞬きをした。
高遠さんは私の反応を面白そうに見つめている。
ついはしゃいで暖炉に駆け寄る私に苦笑しながら、高遠さんは上着を脱ぐと無造作にソファに放り投げた。
「なんか飲む?」
少し声が遠くなって行くのを感じながら、私は振り返った。
カウンターキッチンの奥に進んで行く高遠さんの背中がチラッと見える。
「あ、いいえ。いらないです。何も」
そ?と短い声が返って来る。
カウンター越しに姿を現した高遠さんは、浄水器のついた蛇口からグラスに水を注いで、そのまま喉を仰け反らして一気に飲み干した。
フウッ息をついて、軽く口元を手の甲で拭う仕草に、思わずドキッとしてしまう。
私は慌てて目を逸らした。
良く考えたら……私、ここに来たところで、高遠さんの何をどう監視すればいいんだろう?
そう首を傾げた時、高遠さんが近付いて来る足音が聞こえて、一瞬ギクッと身体を強張らせた。
「ん? どうかしたか?」
「いえ、な、何もっ」
反射的にそう答えながらも、しゃがんだ体勢のまま振り返れない。
私ってどこまで煩悩の塊なんだろう、と自分を諌めながら、なんとか気持ちを抑えて立ち上がった。
「ほ、ほらっ! 高遠さん、ちゃんとお風呂入って、ゆっくり休んで下さい」
パン!と乾いた大きな音を立てて手を叩いてから、私はクルッと振り返った。
私の少し前で向き合っていた高遠さんが、きょとんと目を丸くしている。
「この時間から? 面倒臭いな」
「そ、それならシャワーだけでも!」
「……じゃ、一緒に入るか?」
突然向けられた言葉が信じられずに、私はバカみたいに何度も瞬きをした。
高遠さんは私の反応を面白そうに見つめている。