常務サマ。この恋、業務違反です
相変わらずアポ無しで突然フラッと加瀬君が現れた。
それでも私には好都合だった。
受付から電話をもらって、私は執務室を飛び出した。
そして加瀬君との面会の場になっている受付の隅のソファに向かって行く。
私に気付いた加瀬君が立ち上がるのを見つけて駆け寄った。
「よっ」といつも通り軽く笑い掛けられると思っていたのに、加瀬君は何故だか難しい顔をして私から目を逸らした。
「……どうしたの?」
いつもと全然違うその様子に、私の勢いも削がれてしまう。
探るように声を低めると、加瀬君は辺りを憚るようにサッと目を走らせてから、フウッ息をついてソファに座った。
私も黙ってその隣に腰を下ろす。
「加瀬君」
なんだか胸騒ぎがして、私は加瀬君に呼び掛けた後、促すように言葉を切った。
辺りには誰もいない。
なのに加瀬君はまだ話すのを躊躇している。
そんな様子に、続けて声を掛けるのを躊躇った。
私が緊張していることに気付いたのか、加瀬君はぎこちない笑みを浮かべた。
「ごめん。……あのさ。明日、休み取ってこっちに来れないか?」
「え?」
突然の言葉に、目を瞬かせた。
「ちょっとここじゃ、話し辛くて」
そんな緊張する話じゃないから、と、声だけは明るく取り繕って、加瀬君は私を見つめた。
「な、何……?」
いつも通りここで話せない。
その上仕事を休んで社に来い、なんて、きっとよほどの内容だと思う。
それでも私には好都合だった。
受付から電話をもらって、私は執務室を飛び出した。
そして加瀬君との面会の場になっている受付の隅のソファに向かって行く。
私に気付いた加瀬君が立ち上がるのを見つけて駆け寄った。
「よっ」といつも通り軽く笑い掛けられると思っていたのに、加瀬君は何故だか難しい顔をして私から目を逸らした。
「……どうしたの?」
いつもと全然違うその様子に、私の勢いも削がれてしまう。
探るように声を低めると、加瀬君は辺りを憚るようにサッと目を走らせてから、フウッ息をついてソファに座った。
私も黙ってその隣に腰を下ろす。
「加瀬君」
なんだか胸騒ぎがして、私は加瀬君に呼び掛けた後、促すように言葉を切った。
辺りには誰もいない。
なのに加瀬君はまだ話すのを躊躇している。
そんな様子に、続けて声を掛けるのを躊躇った。
私が緊張していることに気付いたのか、加瀬君はぎこちない笑みを浮かべた。
「ごめん。……あのさ。明日、休み取ってこっちに来れないか?」
「え?」
突然の言葉に、目を瞬かせた。
「ちょっとここじゃ、話し辛くて」
そんな緊張する話じゃないから、と、声だけは明るく取り繕って、加瀬君は私を見つめた。
「な、何……?」
いつも通りここで話せない。
その上仕事を休んで社に来い、なんて、きっとよほどの内容だと思う。