常務サマ。この恋、業務違反です
その翌日、午前十時。
私は一ヵ月以上ぶりの自分のオフィスに出向いて、会議室で加瀬君と向かい合っていた。
「実は……。ウェイカーズの人事部長から、お前について人物照会が入ったんだ」
「え?」
一瞬、身体を強張らせる。
私の反応を確認して、加瀬君は慌てたように顔の前で手を大きく翳して見せた。
「もちろん、それは個人情報保護法を元に回答出来ないって伝えた。
って言うか、業務上必要な情報は身上書で提出してあるし、それ以上のことを派遣元が明かす訳が無いってこと、あっちだって知ってるはずなんだ。
それでも敢えて調査するってことは……」
「わ、私、なんかしでかした!?」
思わず頭を両手で抱え込んで声を上げると、加瀬君が苦笑した。
「いや、それならあんなにあっさり引き下がらない。明らかに、ウェイカーズ側の事情で調べてるんだと思う」
そう言われてホッとして、私は胸を撫で下ろした。
それでも……今までの経験を踏まえても、クライアントからそんな調査が入った経験は私にもない。
「それなら、何の為に?」
不可解な気分で首を傾げると、加瀬君も、ん、と口元を引き締めた。
「気になったから、部長にも相談した。そうしたら、過去別の先で同じような人物照会が入ったことがあったらしくて。
……結論から言うと、後日、そのクライアントは粉飾決算疑惑が持ち上がって、マスコミに取り沙汰されることになった」
「え?」
私は思わず身を乗り出した。
加瀬君は私の反応を全面で受けながら、その後を続ける。
私は一ヵ月以上ぶりの自分のオフィスに出向いて、会議室で加瀬君と向かい合っていた。
「実は……。ウェイカーズの人事部長から、お前について人物照会が入ったんだ」
「え?」
一瞬、身体を強張らせる。
私の反応を確認して、加瀬君は慌てたように顔の前で手を大きく翳して見せた。
「もちろん、それは個人情報保護法を元に回答出来ないって伝えた。
って言うか、業務上必要な情報は身上書で提出してあるし、それ以上のことを派遣元が明かす訳が無いってこと、あっちだって知ってるはずなんだ。
それでも敢えて調査するってことは……」
「わ、私、なんかしでかした!?」
思わず頭を両手で抱え込んで声を上げると、加瀬君が苦笑した。
「いや、それならあんなにあっさり引き下がらない。明らかに、ウェイカーズ側の事情で調べてるんだと思う」
そう言われてホッとして、私は胸を撫で下ろした。
それでも……今までの経験を踏まえても、クライアントからそんな調査が入った経験は私にもない。
「それなら、何の為に?」
不可解な気分で首を傾げると、加瀬君も、ん、と口元を引き締めた。
「気になったから、部長にも相談した。そうしたら、過去別の先で同じような人物照会が入ったことがあったらしくて。
……結論から言うと、後日、そのクライアントは粉飾決算疑惑が持ち上がって、マスコミに取り沙汰されることになった」
「え?」
私は思わず身を乗り出した。
加瀬君は私の反応を全面で受けながら、その後を続ける。