常務サマ。この恋、業務違反です
それは、当たり前の指令だと思う。
後ろ暗い背景があるとはいえ、潜入の目的はそんな犯罪じみたことではない。
それが、本物の犯罪に巻き込まれてしまったら、会社として大打撃を受けることになる。
潜入した本来の目的を達成出来ないまま、私が社員として受けた『撤退命令』
それは会社を、そして私を守る為のもので、拒否出来るものではない。
「……でも、まだ戻れない。戻りたくない」
現状全てを把握した上で、私が意を決して放った言葉に、加瀬君が目を丸くした。
「なっ……、葛城!?」
「わ、私も相談しようと思ってたの。ねえ、加瀬君、……撤退する前に高遠さんだけには本当のこと話しちゃダメかな」
一気に早口で言い切ると、加瀬君が戸惑った目を私に向けている。
「……なんで? このまま黙って撤退するのが一番リスクが少ないと俺は思うけど」
加瀬君の目が徐々に鋭くなっていくのがわかる。
探る視線を一身に受けて、身体が強張るのを感じた。
「……そう、なんだけど」
思い切って返した声が震えるのが自分でもわかる。
「私……これ以上高遠さんに嘘つけない」
「葛城……?」
不審そうに眉を寄せられて、心臓がドキドキと騒ぎ出すのを感じた。
それでも言わなきゃ。
私は一度唇を噛んでから、思い切って顔を上げた。
「……出逢いから騙してた。
今本当のことを話して謝らないと、これから先も嘘を重ねて行かなきゃいけない。
たくさんの嘘で雁字搦めになる前に、本当のこと、全部伝えたいの」
「これから先、って……まさか……。お前、高遠さんと……?」
加瀬君が自分の言葉に半信半疑のような声を出した。
向けられる視線がグサグサと突き刺さって、私は俯いて身を縮める。
後ろ暗い背景があるとはいえ、潜入の目的はそんな犯罪じみたことではない。
それが、本物の犯罪に巻き込まれてしまったら、会社として大打撃を受けることになる。
潜入した本来の目的を達成出来ないまま、私が社員として受けた『撤退命令』
それは会社を、そして私を守る為のもので、拒否出来るものではない。
「……でも、まだ戻れない。戻りたくない」
現状全てを把握した上で、私が意を決して放った言葉に、加瀬君が目を丸くした。
「なっ……、葛城!?」
「わ、私も相談しようと思ってたの。ねえ、加瀬君、……撤退する前に高遠さんだけには本当のこと話しちゃダメかな」
一気に早口で言い切ると、加瀬君が戸惑った目を私に向けている。
「……なんで? このまま黙って撤退するのが一番リスクが少ないと俺は思うけど」
加瀬君の目が徐々に鋭くなっていくのがわかる。
探る視線を一身に受けて、身体が強張るのを感じた。
「……そう、なんだけど」
思い切って返した声が震えるのが自分でもわかる。
「私……これ以上高遠さんに嘘つけない」
「葛城……?」
不審そうに眉を寄せられて、心臓がドキドキと騒ぎ出すのを感じた。
それでも言わなきゃ。
私は一度唇を噛んでから、思い切って顔を上げた。
「……出逢いから騙してた。
今本当のことを話して謝らないと、これから先も嘘を重ねて行かなきゃいけない。
たくさんの嘘で雁字搦めになる前に、本当のこと、全部伝えたいの」
「これから先、って……まさか……。お前、高遠さんと……?」
加瀬君が自分の言葉に半信半疑のような声を出した。
向けられる視線がグサグサと突き刺さって、私は俯いて身を縮める。