常務サマ。この恋、業務違反です
「どうして……?」
思考を四方に巡らせながら、私はポツリと呟いた。
「私、あの時、本当にこんな会社辞めてやるって思ってたのに……」
「勢いで上申したら、希望の今までの努力はどうなるんだ」
私の言葉を簡単に遮った航平を、私は瞬きしながら見つめた。
「業務命令だから、俺のところに潜入した。正直なところ、とんでもない行動だと思うけど、それだって、『業務』だと思ってたから出来たことだろう?」
「……航平?」
「大学を出てからの五年間勤め上げた会社。少なくとも、希望はこれまで自分に胸を張れるくらい、仕事に誇りを持って取り組んでいたはずだ」
ゆっくりと、航平は私に言い聞かせるようにそう言った。
その言葉に、ぎゅんと胸が締めつけられた。
「……航平、私……」
「少なくとも。こんな嫌な思いをして、勢いで辞める事態なんか、考えたこともなかったはずだ」
航平の言葉は怖いくらい的確に的を得て突き刺さってくる。
鼻の奥がツンとした。
「だから、止めたかったんだ。このまま流されるように、希望が『辞める』って口にすることを。
そして俺は食い止めたつもりだった。でも……」
航平はそう言い募った後、グッと唇を噛み締めて、私の肩を掴んだ。
思考を四方に巡らせながら、私はポツリと呟いた。
「私、あの時、本当にこんな会社辞めてやるって思ってたのに……」
「勢いで上申したら、希望の今までの努力はどうなるんだ」
私の言葉を簡単に遮った航平を、私は瞬きしながら見つめた。
「業務命令だから、俺のところに潜入した。正直なところ、とんでもない行動だと思うけど、それだって、『業務』だと思ってたから出来たことだろう?」
「……航平?」
「大学を出てからの五年間勤め上げた会社。少なくとも、希望はこれまで自分に胸を張れるくらい、仕事に誇りを持って取り組んでいたはずだ」
ゆっくりと、航平は私に言い聞かせるようにそう言った。
その言葉に、ぎゅんと胸が締めつけられた。
「……航平、私……」
「少なくとも。こんな嫌な思いをして、勢いで辞める事態なんか、考えたこともなかったはずだ」
航平の言葉は怖いくらい的確に的を得て突き刺さってくる。
鼻の奥がツンとした。
「だから、止めたかったんだ。このまま流されるように、希望が『辞める』って口にすることを。
そして俺は食い止めたつもりだった。でも……」
航平はそう言い募った後、グッと唇を噛み締めて、私の肩を掴んだ。