常務サマ。この恋、業務違反です
お客さまって!? この時間は会議だし、もちろん他のアポイントなんか入れたつもりはない。
それともどっかで抜けてて、見逃してた!?
一瞬にして焦った私の耳に、受付嬢が静かな声で続けた。
「葛城さんに、派遣会社の加瀬様が」
その言葉を頭の中でゆっくり繰り返して、私はガクッとこうべを垂れた。
「……今、行きます」
なんだか一気に、身体の力が抜けた気分だった。
「よっ。お疲れ様」
総合受付の奥のソファの前に立っていた加瀬君が、能天気な笑顔を向けながら私にそう挨拶した。
「……紛らわしいよ、加瀬君……」
ドッと深い溜め息をついて私が先にソファに座ると、加瀬君はきょとんとした顔で私の隣に腰を下ろした。
「なんだよ? いやに疲れてるな」
軽く身体を屈めで膝の上で頬杖をついた私に、加瀬君が苦笑を漏らす。
誰のせいだと思ってるんだか。
無言で横目を流して加瀬君を睨むと、加瀬君もわずかに肩を竦めて、ごめん、と謝った。
「あ~、わかってる。俺のせい。だよな。いきなり環境変わって意に沿わない仕事してるんだから、そりゃいくら葛城でも疲れて当然」
降参、というように軽く両手を上げるポーズを見せた加瀬君に、今度は私が肩を竦めて見せた。
「なんかさあ……日本の終身雇用制度に疑問を感じて来たわ、私」
「……は?」
いきなりしおらしく意味不明なことを言い出す私に、加瀬君は遠慮なく不審そうな視線を向けて来た。
それともどっかで抜けてて、見逃してた!?
一瞬にして焦った私の耳に、受付嬢が静かな声で続けた。
「葛城さんに、派遣会社の加瀬様が」
その言葉を頭の中でゆっくり繰り返して、私はガクッとこうべを垂れた。
「……今、行きます」
なんだか一気に、身体の力が抜けた気分だった。
「よっ。お疲れ様」
総合受付の奥のソファの前に立っていた加瀬君が、能天気な笑顔を向けながら私にそう挨拶した。
「……紛らわしいよ、加瀬君……」
ドッと深い溜め息をついて私が先にソファに座ると、加瀬君はきょとんとした顔で私の隣に腰を下ろした。
「なんだよ? いやに疲れてるな」
軽く身体を屈めで膝の上で頬杖をついた私に、加瀬君が苦笑を漏らす。
誰のせいだと思ってるんだか。
無言で横目を流して加瀬君を睨むと、加瀬君もわずかに肩を竦めて、ごめん、と謝った。
「あ~、わかってる。俺のせい。だよな。いきなり環境変わって意に沿わない仕事してるんだから、そりゃいくら葛城でも疲れて当然」
降参、というように軽く両手を上げるポーズを見せた加瀬君に、今度は私が肩を竦めて見せた。
「なんかさあ……日本の終身雇用制度に疑問を感じて来たわ、私」
「……は?」
いきなりしおらしく意味不明なことを言い出す私に、加瀬君は遠慮なく不審そうな視線を向けて来た。