常務サマ。この恋、業務違反です
後で会ったら、加瀬君にそう言っておこう。
そう納得しながらパソコンに向き合った時、あのさ、と高遠さんが再び私に声を掛けて来た。
はい?と視線だけもう一度高遠さんに向け直すと。
「……今日の夜の接待……。あんたも出席出来る?」
「えっ」
一瞬目が丸くなった。
この数日、高遠さんはそんなこと私に一度も求めなかったし、私もここにいる三ヶ月間は定時帰りが当たり前って気持ちでいたから。
「接待……、仕事ですよね」
そう呟きながら、私は高遠さんのスケジュールを確認した。
だいぶ前から入っていたスケジュール。
今日の十八時から、高遠さんは古くから懇意にしている取引先との接待の予定が入っている。
「そう、仕事。……けど、急だから無理なら別にいい」
「いえ、大丈夫です」
予定と時間を確認してから、私は直ぐに返事をした。
仕事なら仕方ない。何よりも、これが秘書として初めてのそれらしい仕事なんだから。
飲みに行く約束のことは、後で加瀬君にメールで『無理』って返事しておけばそれでいい。
「金曜だし、予定くらいあったんじゃないのか? ……デートとか」
「ないから大丈夫です。って言うか、それ、軽くセクハラ発言ですよ」
ほんの少し唇を尖らせてそう言い返すと、高遠さんは何故だか不機嫌そうに私からそっぽを向いた。
一応私のプライベートを気にしてくれたんだな、と思って、私もフフッと笑った。
「余計なお気遣いはいりません。仕事に同行しろって言われれば、しますから」
「……あんたのプライベートって、その程度?」
業務命令を下したのは高遠さんの方なのに、どうしてこんなに煮え切らないのかわからない。
その上聞き捨てならないボソッとした言葉を耳にして、私は軽く高遠さんを睨んでみせた。
そう納得しながらパソコンに向き合った時、あのさ、と高遠さんが再び私に声を掛けて来た。
はい?と視線だけもう一度高遠さんに向け直すと。
「……今日の夜の接待……。あんたも出席出来る?」
「えっ」
一瞬目が丸くなった。
この数日、高遠さんはそんなこと私に一度も求めなかったし、私もここにいる三ヶ月間は定時帰りが当たり前って気持ちでいたから。
「接待……、仕事ですよね」
そう呟きながら、私は高遠さんのスケジュールを確認した。
だいぶ前から入っていたスケジュール。
今日の十八時から、高遠さんは古くから懇意にしている取引先との接待の予定が入っている。
「そう、仕事。……けど、急だから無理なら別にいい」
「いえ、大丈夫です」
予定と時間を確認してから、私は直ぐに返事をした。
仕事なら仕方ない。何よりも、これが秘書として初めてのそれらしい仕事なんだから。
飲みに行く約束のことは、後で加瀬君にメールで『無理』って返事しておけばそれでいい。
「金曜だし、予定くらいあったんじゃないのか? ……デートとか」
「ないから大丈夫です。って言うか、それ、軽くセクハラ発言ですよ」
ほんの少し唇を尖らせてそう言い返すと、高遠さんは何故だか不機嫌そうに私からそっぽを向いた。
一応私のプライベートを気にしてくれたんだな、と思って、私もフフッと笑った。
「余計なお気遣いはいりません。仕事に同行しろって言われれば、しますから」
「……あんたのプライベートって、その程度?」
業務命令を下したのは高遠さんの方なのに、どうしてこんなに煮え切らないのかわからない。
その上聞き捨てならないボソッとした言葉を耳にして、私は軽く高遠さんを睨んでみせた。