雨上がりの虹のむこうに
艶々した丸いボックスには包装紙が掛かっていなくて、赤い大きなリボンで結ばれていた。
差し出された箱を手にとってリボンをほどいていると、山並さんが両手を差し出して「乗せてください」と言ってきたので、よろこんでそうさせてもらう。
しゅるりと滑らかなリボンがすべり、結び目が解かれて流れ落ちる。
どんなプレゼントも箱を開ける時が一番ドキドキする。両手でそおっと蓋を開けると、中には川崎ローズが綺麗に並んでいた。
光沢のある和紙で作られたバラは、柔らかいオーガンジーに埋もれるように咲き誇っていた。
「山に登っている合間に作っていたんです」
口下手なこの人が、どれだけの気持ちでこのバラを折ってくれたのだろう。沙那さんに言われてから、自分でもバラの色の意味や、本数の意味を調べてみた。
最初にもらったバラは、一目惚れの一輪。ピンク色なのは、上品。
このバラは、五本。
意味は『あなたに会えて 心から嬉しい』