雨上がりの虹のむこうに
「美味しければ、問題ないと思いますよ。ただ僕のようなむさ苦しい男が一人で食べるのは恥ずかしいですね」
照れながらも、山並さんなりの感想を言ってくれた。すると、こちらも息のあった返事が返る。
「そうよ!恥ずかしいくらい媚びてるわ」
「そうですね。最終的には味ですから」
お互いに納得のいく答えを得たようで、それでいてまた決着のつかない結果となった。頬を膨らましているミオちゃんと、瞳に静かな闘志を燃やす御山さんはお互い一歩も譲らないまま睨みあっている。
山並さんはまだどちらの陣営にも加わっていないため、はらはらと二人を見守っている。
「それでは気分を変えてお茶にしましょう」
ぽんと手を打って、ケーキラックから自分が焼いてきたケイクサレを取り出す。ケイクサレは塩のケーキと言われるだけあって、甘くないケーキになる。使うのもバターではなくオリーブオイルなうえ、中に炒めた野菜を加えるのでヘルシーだ。野菜にしても玉葱とベーコン、ほうれん草にチーズなどバリエーションがきくので手軽に作れる。
「このケーキは甘くないので、甘いものが苦手な人にも食べられますよ」