雨上がりの虹のむこうに
「品川さん、レフ板お願いします。今なら撮れる」
すれ違いざまに耳打ちして、とっととカメラを固定した三脚へと向かう。
「それじゃあピンクのうさぎちゃん、どこですか? 」
「ここだよ!」
りほちゃんが見せようと前に出る。
「ああ、元気なうさぎちゃんだね」
りほちゃんと目線を合わせた後、お母さんを見るとはっとしたように、最前列のりほちゃんの後ろに立ち、笑顔を向けてきた。
「りほちゃん、うさぎちゃんは写真が珍しいみたいだよ。一緒に映ってみたいって。どうかな、いいと思う? 」
りほちゃんは、お母さんを見て「いいかなぁ」と尋ねていた。もちろんお母さんにしたら、悪いことなんて何もないので、笑って許してくれる。
「よかったなぁ、りほ」
今日の主役であるおじいちゃんまでもが、自然な笑顔になる。
凄い人なんだ…山並さん。こんなに自然な笑顔を作れるなんて。