◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「こ、これはっ…その……」
染めたら変色した?ストレスが原因なの、とか…役に立たない言い訳ばかりがぐるぐると頭の中を駆け巡る。
「びっくりした、赤い髪なんて、その…初めて見たからさ」
その声色に、表情に、隠れた恐怖を見た気がした。ズキリと胸が痛む。
「すぐに、フード被るからね。ごめん」
私はその髪を隠すようにローブを身につけ、フードを被った。
まさか、自分がこの髪で人から距離を置かれると思わなかったな………。
ううん、これが普通だったんだ。ルークが変わってるだけで、皆が私に抱く印象は、きっと……これが正しい。
拒絶されるのって、こんなに寂しくて痛いんだ。そう思うと、胸がさらに痛んで、私は胸元の服をギュッと掴んだ。
「ご、ごめんな!!」
それを見たカイは、急に私に深々と頭を下げた。私は驚いてそれを見つめる。
「俺、その髪を見て、雫が暁の姫なんじゃないかって思って、怖くなって……でも、そんなわけないのにな!」
カイは励ますつもりだったんだろう。でも、それはさらに私の胸を鋭く抉った。
私が、暁の姫だったら………カイは、私を嫌うの?
「ほら、雫の大事なヤツ、探しに行こうぜ!俺、力になるからさ!」
カイは私の手を引いて立たせてくれる。私は、ぎこちなく笑い、その手を握り返した。
「ごめんね」
「謝るなって!俺こそごめんな」
そうじゃないんだよ………。私は、あなたが恐れた暁の姫なんだ。だから……
本当の事を言えない私を、許してね………