◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「カイ、このお嬢さんは?」
センリと呼ばれた少年が私を見る。私は軽く頭を下げた。
「雫です、カイには助けてもらって……」
「雫、人とはぐれちゃったらしいんだ。だから、それを手伝うとこでさ!あ!センリも手伝ってくれないか!?」
カイは妙案を思い付いたとばかりにまくしたてる。
え、センリさんに迷惑じゃないかな??私の用事で、なんか申し訳ないような………
「勿論だ。カイの願いなら尚更な」
「おお!ありがとな、センリ!」
二人のやり取りに何故か違和感を感じた。
カイの為なら………それって、私が可哀想とか、そういんじゃなくて、純粋にカイの為??
別に、心配してほしいわけじゃないけど、何だろう。すごく引っ掛かるというか……
「よろしく、雫。俺はセンリでいい」
「あ、うん!よろしく!」
差し出された手に私は手を乗せる。その瞬間ー……
『俺に出来る事なら、何だってやる』
「!!?」
何?今、声が…………??
『それが、罪滅ぼしになるなら』
やっぱり気のせいじゃない。この声……センリの声?
直接頭に響く声に、私は戸惑いながらも耳を傾ける。
『なぁ、お前はそこで笑えてるか?』
悲しい、苦しい………。まるで泣きたくなるような絶望。そう感じる感情も、思考も、まるで誰かのモノと解け合っていく。
『傍にいく、待っててくれ』
ー強い願望。踏み入れたら最後、戻ってはこれない世界に《私》俺は足を踏み入れた。