D.o.t.L~Drag of the Love~
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【蓮side】
ああ、
割れた。
「私がほら、教えてあげるよ。薬物依存の人のいろんなこと」
あっさりと認めた彼女に俺は戸惑うしかなかった。
「あ.....はいっ。お願いしますっなかなか聞き込むの大変だったんですよ」
でも口から出る言葉は、そんな自分の感情とは正反対で
「んふふっ。じゃ決まりね」
「でも、俺だけ手伝ってもらうのなんか申し訳ないし、なんか俺に手伝ってほしいことないんですか?」
もう少し─────
つながりが欲しくて────。
「あー、なんだろ。あるかなーっ」
首を傾げる彼女は突然、足を止めた。
そしてクルッと振り返り、
「考えとく!」
と笑顔で俺に顔を向けた。
それから俺の手からそっと、買物袋をとって
「ありがとうっ。ここで大丈夫!じゃあね」
彼女の後ろには大きな高級マンションが建っていた。
まるで彼女を後ろから見守っているかのように
静かに心地よく流れていた、会話が突然おわり
俺は彼女の後ろ姿をただずっと見ていることしかできなかった。
自分の中にいる彼女が
自分が見下している奴らの中に含まれているのに
自分の中での存在が大きくなっていることに腹が立った。