D.o.t.L~Drag of the Love~
▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
【隼人side】
「おかえりっお父さんどうだった?」
ただいまというと、自然と帰ってくる声。
「ああ。まあ一応な。オヤジもあんなんだから、元気なオーラ丸出しだし。お、いい匂いすんじゃん」
久しぶりに家の中から漂う匂いに俺は惹かれていった。
「んぅー、匂いはいいんだけどー。。味見してないから、不安」
眉毛をまげて俺を見つめる聖莉。
こんなにもそばにいるのに
そこにはいつもみえない壁があって
「いただきますっ」
味なんて気にしなかった。
聖莉を喜ばせたかった。
聖莉の全てを受け入れたかった。
今の聖莉がよかった。
驚いた顔をして俺からスプーンを奪う聖莉
「.....おいし...くない。
全然おいしくないじゃん。」
ほら聖莉──。
そんな顔しないで
「いや、ほら前よりは美味しいよ」
不安にかられている俺の言葉からはいつものような言葉はでない。
「なんで、時々そんな優しいのよ。
昨日はど下手って言ったのに」
これ以上頑張らなくていい
なにもしなくていい。
だから────。
「..俺はー、聖莉といられればそれでいいんだよ」
──────俺から離れないで。
「でも私、隼人に助けてもらってばっかだよ。せめてもお返しとして、美味しいモノ作ってあげたいのに」
お返しなんていらない。
お返しをもらって、君がどこかへ行ってしまうのなら
一生料理なんて下手なままでいい。
俺の目をみてよ
聖莉。
そして俺は、こうやることでしか聖莉を繋ぎとめておくことができない。
聖莉───。
全部を俺にくれよ
俺でいっぱいになれよ
俺を置いていかないで。
ベッドの上で素直に手を俺に差し出す聖莉。
─────ごめんな。
「....ごめんな、聖莉。」
無言で俺を受け入れる聖莉にもっともっと溺れて
「俺から離れるな」
こう言うしかなくなるんだ。
孤独から抜け出せる
俺が強くいるための
君が唯一の
オレの薬なんだ。