カムフラージュの恋人
ついに・・・ついに言ってしまった・・・!
しかも車中で二人っきりのときに!!
ていうか、こんなセリフ、他の誰にも聞かせたくないし!!!

自分で言っておきながら、もうすっごい恥ずかしいんだけど。
ダメだ!恥ずかしすぎて、隣見れない!
しかもこいつ無言・・・・・・。

と気づいたとき、私は「止めて!」と叫んでいた。

「止めれる場所ねぇ」
「いいから車止めなさいよ!」
「無茶言うな!」
「無茶でもいいから車止めろーっ!私、ひとりで帰る・・・」
「きよい」
「なによ!」
「これ以上運転中の俺を煽ってんじゃねえよ」
「はあ?煽ってなんかな・・・」

つい怒りに任せて隣の雅彦を見ると、ヤツは目を細めて、ハンドルを持つ両手をギューッと握りしめていた。
まるで何かに耐えるように。

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