溢れる手紙
「宜しく」
晴子ってと龍はお似合いだった。なんて言うか、お互い並んでて違和感がないのだ。
しばらくすると、2人はその場から離れて行った。
「おせぇな。」
海ちゃんは時計を見ながら、落ち着かない様子だ。さっきから足を上下激しく揺らしている。友達っていったいどんな人なんだろう。あたしの頭は不安しかなかった。
「よ!待たせてわりぃな」
来たのは年上の人だった。きっと、仕事帰りだろう。作業着服を着ている。海ちゃんがブランコから降りて歩み寄った。あたしも、ついて行った。
「久しぶりです。先輩、元気してましたか?」
頭を軽く下げながら聞く海ちゃん。すると、隣にいたあたしに気がつく。
「彼女ちゃん?」
優しく笑ってあたしに尋ねた。
「あっ、はい!」
あたしは、ペコペコしながら答えた。
場所を移し、レストランへ入ると先輩方とあたしと海ちゃんで座った。
それから、ご飯を食べながら先輩とお話しをした。
「ご馳走様でした」
「じゃ、またな」
「失礼します」
短い会話を交わし、その先輩とわかれた。
海ちゃんとバイクで帰ってる途中
「友希ー、今日泊まってくか?」
と、急に言われてビックリするあたし。
「行きたい!」
実は、男の人と泊まり初めてなんだよな…少し緊張するかも…
「あ、でも着替えない…」
海ちゃんの家に着いて気がついた。
「大丈夫だ、俺が貸してあげる」
「ありがとう」
海ちゃんが手を差し伸べた。あたしも、微笑みながら海ちゃんの大きな手を握った。あったかい…二人で手を繋ぎながら部屋に入った。
そのまんまベランダへと連れて行かれ夜空を眺めた。
夜空には、星がキラキラと輝いていた。こうして、海ちゃんと見る星空は特別に思えた。
永遠に終わる事のない時を感じてた。このままずっと…
海ちゃんの顔を見ると、口角を上げて笑ってる。なんだか、愛おしい。気づけば、あたしは海ちゃんを強く抱きしめてた。存在を確かめるように。それに答えるかのように海ちゃんも腰をグイッと寄せて抱きしめ合った。
「どうしたんだよ」
問いかけてる訳じゃない。あたしが普段こんな事しないから、可笑しくて笑ってるんだと思う。
ずっとこのままでいたい…思いは、儚いものだね…
それから、あたし達はベットで眠りについた。
ブーブー…
さっきから携帯がなってる。その音に目を覚ました。海ちゃんの携帯だ。あたしは、起こそうと、体を揺らしたけど目は閉じたままだ。「海ちゃん起きて!電話だよ」
耳元で言ったら、ビクって体が動いて目を開いた。
「んあっ」
テーブルの上にあった携帯に手を伸ばし
「もしもしー」
寝起きの声で、少し掠れて話してる。
「分かった。今から来る」
「どうしたの?」
ちょと、心配そうに聞いた。すると、あたしの顔をじっと見つめてきた。真剣な瞳で視線が絡み合う。
「な、何?」
海ちゃんは、ハッとした。あたしは、見逃さなかった。
「なんでもねぇ…」
なんでもよくないよ…なんか、最近海ちゃんの様子がおかしい。いつも、ボケっーとしてるし、あたしが話してる時も聞いてない時がある。昨日の夜、海ちゃんに抱きついたのは不安でいつかあたしの前から消えていっちゃうんじゃないかって思ったから抱きついたの…
あたしの気持ち海ちゃんは分かってくれないの?あたしに隠し事してる気がするの…でも、あたしがそれを言ったら海ちゃんが消えていく…遠くなる。
それから、海ちゃんにバイクで送ってもらった。今日も、あたし乗せた後忙しそうに素早く去っていった。怪しい行動をすればするほど不安が募るばかりだ。どんどんどんどん大きくなっていってそれが悲しみや、怒りに変わっていった。最低だ…あたし。分かってるのに当たってしまう。
家に入り、直行で部屋に入った。誰とも話したくない。
「うっ…うっ」
布団にうずくまって泣いた。嗚咽で苦しい。
海ちゃんにとっての、あたしって何だろう。あたし、どんな存在?
あたし、いけないことした?
あたし、必要?
疑問が溢れてく。そして
海ちゃん、あたしのことなんも分かってないよ…この気持ちが強くなって海ちゃんを責めることしかできなかった。
あたしの気持ちが全部海ちゃんに届けばいいのに…
でも。
でも。
これを口にしたら…
「消えていっちゃう…」
最後は、消え入りそうな声で発した。
怖いよ…
深い眠りをしたかと思うと、起きてまた泣いて。涙は枯れないんだな。
気づけば、朝になってた。階段をおり風呂場に行った。鏡を見たら目が凄く腫れていた。
「うっわ…」
あまりの腫れように思わず声が出た。
どうしよっか…学校行くべきかな?でも、学校行ったら放課後は海ちゃんに会えるかもしれない。
あたしは、学校に行くことにした。
授業が始まっても、全く集中が出来なくて海ちゃんの事ばかりを考えていた。そして、前の席は龍…
「あれ?」
今日は、珍しく龍が居ない。いつもなら、学校来るはずなのに…でも、あたしは気にしてはいなかった。
昼休みが終わり午後の授業に入る。この時が一番眠い時間なのだ。だから、周りの生徒はほぼ寝てる。
ふと、窓を見た。
外には、大きな雨粒が窓をたたいていた。
天気予報で、午後から雨なんて言ってたな…
「あ、傘忘れちゃった…」
朝は、天気が良かったから…
でも、放課後は海ちゃんが来てくれるからいっか。
ブーブー…
あたしの携帯がなった。
「もしもし」
それは、海ちゃんからだった。
「今、校門にいるから走ってこい」
「うん!」
「雨降ってるから気おつけろよ。」
電話を切って、走って学校を出た。
バイクに寄りかかって待ってる海ちゃん。
「今日は、家に送ってく。」
「え…?」
「ほら、雨降ってるからさっさ乗れ」
優しく乗せてくれた海ちゃんは、なんだか少し痩せていた。
バイクを走らせてる途中、いつもなら景色を見ているけど、今日は、海ちゃんの背中しか見てなかった。なんで…今までは放課後いつも海ちゃんの家に遊び行ってた。
今日は、なんだか違う…家の前でバイクが止まり、いつまでも降りないあたしに気づいて優しく腕を引っ張りドアの前に連れていかれた。
「お前、最近変だぞ?」
あたしの肩にポンッと手を置いて、首を傾げ呆れた顔で笑って聞いた。
おかしいのは海ちゃんだよ…?あたしの気持ちに気づいて?
不安が悲しみへと変わり、まだ一緒にいたいって思ったあたしは海ちゃんを抱きしめた。
海ちゃんの、体は一瞬震えた。そして、あたしの背中に手を回したかと思うとそれは虚しくその手はあたしの頭にあった。体を離され
「いきなりやめろよな」
海ちゃんの顔が笑ってる顔に見えなかった。ひきつっていた。目も合わせなくて、視線をそらしていた。
「変…」
雨の音であたしの声は聞こえてない。
「変だよ!」
叫ぶように言ったあたしに、海ちゃんは目を見開いてる。
ドンッ…
そして、あたしは体を押した。
すこし、ヨロッとなった海ちゃんは雨に濡れてあたしもわざと濡れた。泣いてる姿を見られたくなかったから。
すると、フッと鼻で笑って
「何がおかしいんだよ」
って本気にしてない。
「ねぇ、なんで目合わせてくれないの?
海ちゃん、笑ってない。」
すると、あたしに近づき頭を撫でた。
「ごめん…」
あたしは、今凄く泣いてるんだと思う。雨と一緒に頬をつたう。
「ごめんじゃ分かんないよ!」
思ったことを言えないあたしは自分にイラつきそれが海ちゃんを責めてて、あたっていた。
「あたしが今どれだけ辛い思いしているのか分かんないでしょ!?ずっと海ちゃんの事思ってるのに…」
あたしは、嗚咽で最後まで言えなかった。
海ちゃんはあたしの泣いてる姿を見てるだけだった。
「こうやって、泣いてるのに海ちゃんは触れてもくれないのね。」
言ってはいけないのに、止められない自分がいた。
「海ちゃんは!海ちゃんは、全然分かってないよ!」
そう言うと、あたしは家の中に入って足音を立てて部屋に入ってベットにダイブした。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop