最後のコトバ



その時にはもう、完全に表情を出すことはなくなっていた。

笑いもせず泣きもせず、ただひたすら生きただけ。

学校とバイトの日々を、淡々と繰り返しただけ。


高校に入って人と話すようにはなったけど、心を開くことはなかった。

家族を失ったあたしは、信頼出来る人はいなかった。

親戚とも、関係を絶ったから。

安心出来る場所もなかった。


そんな中で出会った彼は、本当に安心出来た。

安らげたんだ。

理不尽なことでいじめに遭って絶望しかなかったあたしの、唯一の光だった。

そんな気がしていた。

だけど、これは勝手なあたしの思い込み。

彼女たちの言う通り、彼は邪魔だと思っていたのかもしれない。

ただの暇つぶしだったのかもしれない。

彼の存在で生きる意味を見つけた気がしたのに。

それは、勘違いだったのだろうか。




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