最後のコトバ



一言も謝ることが出来なかった。

姉の悩みを聞いてあげることも出来なかった。

償いのためだった。


だけど俺は、運良く助かった。

死ぬことが出来なかった怒りと、何も出来なかった罪悪感でいっぱいだった。


退院した俺は、家に戻った。

そこは、何もなかったように綺麗になっていた。

遺影らしきものが寂しく置いてあった。

全て終わったんだ。

脱力感に襲われ、その場に座り込む。

そして、そこから一歩も動かなかった。

家を出ることもしなかった。

姉との思い出が残るこの家で、何もせずただボーっと日々過ごした。

学校にも行かず、何回か友達が来た。

何かを話していたけど、全然耳に入っていない。

俺は、何のために生きなければならないのか分からなかった。




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