最後のコトバ



智史くんには、自殺をはかった理由について何も話していない。

だけど、教師が来て少し話したことによって、簡単に察することは出来るはず。

それが分かった上で聞いているのだろう。


確かに、逃げてばかりいてはダメだと分かっている。

だけど、今は考えたくない。

学校に行って、あの子たちに会うのは嫌だ。



「梨華……?」



俯くあたしの顔を覗き込みながら、あたしの名前を呼ぶ。

その優しい声に、全てを見守ってくれそうな表情に、全てをぶちまけまくなる。

でも、そんなことは出来ない。

今は良くても、いずれ重荷に思う時が来る、

そんなことがあれば、もうあたしは生きていけないから。


否定は出来ない。

それだけ、智史くんの存在は大きい。




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