初恋
俺はバイト先に向かっている時には思いもしなかった。


まさかあんな出会いがあるなんて。


こんなに苦しい思いをすることになるなんて。


いつも通りバイト先に行き着替えてレジ打ちをしていた。


おばあちゃんやおじいちゃん。


親子連れ。いろんな人が来た。


昼時もあってたくさんの人が買いに来る。


俺は忙しい中バタバタしていると


ふと、1人の女の子が目に入った。


奥の棚のチョコレートケーキをずっと見ている。


俺はおかしくなってちょっと口元が緩んでしまった。


そして彼女は何かを決心したかのようにトレイとトングを手に取った。


それと同時に手に持っていた服の入った袋を落とした。
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