キミじゃなきゃダメなんだ



先輩の『頑張る理由』が私っていうのは、ちょっと恥ずかしいけど。


でもその中で、先輩がちょっとでも楽しいって思うときがあれば、嬉しいな。







「うわっ。マル、ハデにやったねぇ」



それから一時間後。


私の膝元を見て、里菜が痛々しそうに目を細めた。


「あはは....いやー恥ずかしかった....」


二回目の休憩に入る直前に、全校生徒が入り乱れるグラウンドでつまずいてハデにこけた。


痛い。痛いけどそれより心が痛い。

めちゃくちゃ恥ずかしかった.....。


「大丈夫?保健室いく?」


休憩時間に入って、グラウンドが騒がしくなる。

里菜が心配そうに言ってくれるけど、このくらいのケガはもう慣れっこなわけで。

私は「大丈夫」と笑った。


< 180 / 549 >

この作品をシェア

pagetop