キミじゃなきゃダメなんだ


「せ、先輩!怖いです、出ましょう!」

「出ない」

「なんでさっきからそれなんですかってヒッ!?」


トン、と肩を叩かれた。

あ、待って無理。後ろ?後ろだよね?無理無理振り返れない。だから会話を遮ってんじゃねーって何度いったら....


クスクスクスクス.....


すぐ後ろから背筋が凍るような笑い声が聞こえてきて、今度こそ死ぬんだと思った。


「いやぁぁぁぁぁ!!うあああん!!」


思わず近くにいた先輩に抱きつく。お前らこれが狙いだろ!?さあ早くどっか行け!!もう無理だから!解放して!!


恐怖を紛らそうと先輩に抱きついたけど、何故か頭を撫でられはじめた。

先輩の機嫌が直ったのかと思ったけど、それより安心感がすごすぎてすぐに離れられない。


「ひっ、う、うう、やだ無理...やだぁ....」


人間は、安心すると涙が出てくるものらしい。


相変わらず右手はすごい力で、というかさっきよりもっと強い力で握られてるけど。



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