キミじゃなきゃダメなんだ


「ありがとうございます。じゃあ私はこれで....」

「ねえ、なんで百合泣いてんの?」


今度こそ叫ぶかと思った。


恐る恐る横を見ると、汐見先輩が眉を寄せて、私と松原先輩を見ていた。

ヒッ。いつのまにこんな近くに。いつ気づいたんだ。


てゆーか聞かれた?今の会話。

いや、『なんで』っていってたし、セーフか?


「あ、いや、えと、これはその」

「諒が泣かせたの?つーか百合が来たなら教えろよ、お前」


ヒィ。

全然関係ない松原先輩に怒りの矛先が向いた。


松原先輩は、ため息でもつきそうな顔をして、汐見先輩を見ている。

ウワァーごめんなさい松原先輩!私が不甲斐ないばかりに!


違うんだ、彼はむしろいい人だったんだ!


「ち、違うんです!松原先輩はなにも悪くないです!」

「...ほんとに?」

「ほんとです!」

「じゃあなんで泣いてたの」

「.....目に!目にゴミがぁ!」

「馬鹿にしてんの?」


うわぁーん!


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