キミじゃなきゃダメなんだ
チョコちゃんは断るかと思ったのに、携帯から顔を上げて「面白そうね」なんて言った。
「せっかくだからついてくわ。バカップルぶりを眺めてあげる」
「な、眺めなくていいよぅ....」
周りから見たら、もしかしてバカップルに見えてるのかな。恥ずかしいな。
「....しっ、汐見先輩っ」
「松原せんぱぁーい」
ぶりっ子スイッチが入った里菜とふたりで、後ろから声をかける。
ゆっくりと彼らが振り返って、まず汐見先輩と目があった。
何故かものすごくドキドキした。私は今彼氏と目を合わせている!ドキがムネムネだぁ!
私と里菜、チョコちゃんで声を合わせて「おはようございます」を言う。
松原先輩は面白そうに「おはよー」と言った。
汐見先輩は何故か私のことをガン見しながら、「...おはよ」とどこか気の抜けた返事をした。大丈夫かこの人。
「汐見先輩」
すると、チョコちゃんが汐見先輩の前に出てきた。
どうしたんだろうかと思ったら、「改めて、うちのアホをよろしくお願いします」と言った。お母さんか!