キミじゃなきゃダメなんだ


「いってらっしゃいマル~」

「ま、存分にいちゃつくことね。でも、人がいない教室だからって、限度は考えなさいよ」


ちょ、チョコちゃん.....。

私たちをなんだと思ってるんだ。あ、バカップルか。あんまり認めたくないな。



ふたりに見送られながら、お弁当箱を持って先輩のもとへ向かう。


な、なんかドキドキする。よくわからんけど。

一緒にお昼というカップル限定イベントに心の高鳴りが止まらない。彼氏彼女ってやばい!



「えへへ。なんか緊張しますねえ」


歩き始めて、思わずへらへら笑う。

先輩はそんな私をまたじっと見つめてから、「そーだね」なんて言った。え、そーなの?


「せ、先輩も緊張してるんですか?」

「....格好悪いから言いたくない」

「...ええと、先輩、よくそれ言いますけど、別に格好悪くないですよ。てゆーか、先輩が格好悪いときなんてないです」

「男はカッコつけたい生き物なんだよ」


そうなのか。

常に可愛くいたい女子が化粧するのと同じか?うん?違うのかな。わからん。



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