キミじゃなきゃダメなんだ


先輩はますます楽しそうに目を細める。


...嬉しそうだな。彼氏って言われたのが嬉しかったのかな。


「悪くないよ。好きなだけニヤければ?」

「....先輩は嬉しくないんですか。わ、私と、ご飯、食べるの」

「嬉しくなかったら誘ってない」


そりゃそーだろうけどさ。


ううう、先輩のペースだ。

悔しいな。なんか攻撃を仕掛けたい。何ができるかな。えーと、えーと。


卵焼きをごくんと飲み込んで、先輩を見据えた。


「....せ、先輩」

「ん?」

「好きです」


....お。

ちょっとだけ動きが止まった。


「............」


彼は私を、何か言いたげな目で見つめてくる。

対して中学生男子な私は、予想通りの反応が得られて最高に嬉しいので、盛大にニヤけている。こんな彼女嫌だなと冷静な頭でちょっと思った。



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