キミじゃなきゃダメなんだ


先輩は箸も持たずに、私をじっと見てる。視線が痛いとはこのことだ。


「....食べないんですか?」

「百合さ、僕が他の女子と話すの、嫌?」


無視された。初めてだ。悲しい。

てゆーか、え?なんだその質問。



「....い、いや別に...話すくらいなら、いいんじゃないですか」

「でも昨日言ってたよね?僕が話しかけるのは、君だけじゃなきゃ嫌だって」



うわあああああ!!

一気に顔に熱が集まる。

む、蒸し返すのかよ!やめろぉ!やめてくださぁい!!


「い、い、言ってないですぅ!」

「言ったよ。で、どうなの?嫌なの?」

「.....は、話すくらいなら、別に....」

「じゃあ何が嫌?」

「...........」


なんでそんなこと訊くんだ.....。

私をそんなにいじめたいのか。今までのやり返しなのか。


うう、と唸りながら、しぶしぶ答えた。


「わ、笑いかけるの、とか....」

「....昨日も言ってたよね。笑うだけで嫌なんだ?結構嫉妬深いんだね」


いじめだ。決定。

私は脳内で汐見被告の判決を下した。彼女いじめの罪。有罪。



< 489 / 549 >

この作品をシェア

pagetop