天然王子
首だけを後ろに向けると、そこにはシュンくんがいた。
私の片腕は、しっかりとシュンくんに握られていて…
「シュン…くん!?」
「ハル、借りてもいいかな?」
シュンくんはもう一度、田熊に聞いた。
「え…あ……?」
田熊はチラッと私の様子を伺った。
私は田熊に目で必死でうったえかけた。
だめだからね…
絶対…
絶対絶対絶対…
「別に、俺のじゃねーし…いんじゃね?」
貴様ぁああ!!!
いや、そうだけど…そうだけどもさぁ!
断れよ、バカ!!!
「そっか、そうだよな」
そして私の意見は聞かないの!?
ごめん王子、私…約束…守れそうにありません。
「じゃ、俺行くわ」
田熊はサッと片手を上げて去って行ってしまった。
あいつ、逃げた!絶対!!