幼馴染み~初恋物語~
櫻は泣き叫ぶ夢にうなされて、涙が頬を伝うと、誰かの指が、自分の頬を拭ってくれた。

「えっ…………?」

夢ではなく、確かに肌に触れた感触があり、目の付近を触れても涙で指が濡れなかったのがその証拠。

ハッと目を覚ますと、そこには龍聖がいた。

「和樹君、和樹君ってうるせぇ奴だな?」

「そろそろあいつの劇が始まるから連れてってやるよ?背中に乗れよ?」

ベッドに腰をかけて、背中を向けた龍聖に、櫻は眠そうなまま、目を擦って言った。

「いいよ…………そんなの恥ずかしいし…………」

「朝まで練習した成果が気にならないのかっ!!」

「気になるけど…………」

怒鳴られた勢いに負けて、龍聖に背負われながら、和樹の劇を見に行く事になった櫻。

私はなんで怒られてるんだろう…………

保健室に連れてきてくれたり、おんぶして劇を見せてくれたり…………

心が暖かく感じた櫻は、龍聖の体にギュッと抱きついて、頬を背中につけた。

嫌な事ばかりするけど…………

本当に嫌がる事はしない…………

本当は優しいんだね…………





< 409 / 611 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop