白いジャージリターンズ~先生と私と空~
今思えば、私は高校時代、毎日先生のことを考えていたんだ。
校門に先生がいるかなってドキドキして。
いないと、ガッカリして。
“おはよう”って言ってもらえた日は一日嬉しくてね。
“おはよう、矢沢”って名前まで呼んでもらえた日なんて、もう一日ニヤニヤしちゃってたんだ。
誰にも言えなかった。
誰かに話しちゃうと、この想いの行方がわからなくなるって思った。
先生への恋って、ドラマや映画ではよくあるけど、実際には悲しい結末がほとんどだもん。
反対されるくらいなら・・・・・・
自分の中で、大事にしていたかった。
だってね、あきらめるってことは絶対に無理だったの。
それくらい、私の人生に必要だった。
生きていく支えだった。
おおげさだけど。
先生を好きでいることが、あの頃の私にはすべてだった。
悲しいことや辛いこと、全部忘れさせてくれるのは先生だったんだ。