残念御曹司の恋
結婚する時にはすでに彼に好意を持っていた私だが、彼の方は淡々と予告通りに事を進めただけという感じだった。
私のことを気に入ってくれているとは思うが、プライベートな空間で二人きりになっても(それは新婚初夜にベッドを共にした時ですら)彼は甘い言葉を囁いたりはしなかった。
でも、夫は常に優しかったし、元々気が合うのか、会話だけは絶えることが無かったため、さほど気にしては居なかった。
このまま、まるで相棒みたいな気楽な夫婦関係を続けていければと思っていたのだ。
だが、そんな円満に見えた夫婦関係に変化が訪れたのは、私が息子を出産した後だった。
結婚後も熊澤家の親族から疎まれていた私でも、跡継ぎである男子を出産したことで、あまり表立って誹謗中傷されることはなくなり、熊澤家の中に少しだけ居場所ができた気がしていた。
出産を機に仕事も一旦辞めていたので、このままもう何人か子供を産んで、育児に専念したいと考えていた。
だが、夫が私に望んで居たのは、まったく違う事で。
できれば、秘書の仕事に復帰して欲しいと言い、パートナー同伴のパーティーや会食にも欠かさず私を連れて行きたがった。
そして、事あるごとに夫は繰り返す。
「子どもは竣ひとりで十分だ。」
そして、あまり私に触れようとしなくなった。
会話はあるが、まるで甘い雰囲気にはならない。
いつしか、気づけば寝室も別々という状態だった。
仕事が忙しかった夫は書斎のソファベッドで眠ることがほとんどだったためだ。
私のことを気に入ってくれているとは思うが、プライベートな空間で二人きりになっても(それは新婚初夜にベッドを共にした時ですら)彼は甘い言葉を囁いたりはしなかった。
でも、夫は常に優しかったし、元々気が合うのか、会話だけは絶えることが無かったため、さほど気にしては居なかった。
このまま、まるで相棒みたいな気楽な夫婦関係を続けていければと思っていたのだ。
だが、そんな円満に見えた夫婦関係に変化が訪れたのは、私が息子を出産した後だった。
結婚後も熊澤家の親族から疎まれていた私でも、跡継ぎである男子を出産したことで、あまり表立って誹謗中傷されることはなくなり、熊澤家の中に少しだけ居場所ができた気がしていた。
出産を機に仕事も一旦辞めていたので、このままもう何人か子供を産んで、育児に専念したいと考えていた。
だが、夫が私に望んで居たのは、まったく違う事で。
できれば、秘書の仕事に復帰して欲しいと言い、パートナー同伴のパーティーや会食にも欠かさず私を連れて行きたがった。
そして、事あるごとに夫は繰り返す。
「子どもは竣ひとりで十分だ。」
そして、あまり私に触れようとしなくなった。
会話はあるが、まるで甘い雰囲気にはならない。
いつしか、気づけば寝室も別々という状態だった。
仕事が忙しかった夫は書斎のソファベッドで眠ることがほとんどだったためだ。