残念御曹司の恋
*****
「二人目は、どうやら女の子らしい。」
息子の竣がそう告げると、夫は「そうか」と目を細めた。
「錬(れん)は、弟がいいって言ってたんだけど。」
そう言いながらも、息子はうれしそうだ。
それに水を差すように、夫が余計な一言を口にする。
「お前に似ないといいな。」
私は思わず吹き出した。
「母さんまで…。俺だって、司紗に似てくれることを心底祈ってるよ。」
息子は少しムッとしながらも、本当に心配しているのか、その顔は真剣だった。
息子一家は少し離れたマンションに住んでいるが、時々、休みの日にこうしてふらりと遊びにやってくる。
庭では三歳になったばかりの孫の錬が走り回っていて。
それをお腹が少しだけ膨らんできた司紗さんが「走るときはちゃんと前を見て」と注意していた。
錬の顔は、竣のそれと瓜二つだ。
そして、自動的に竣と生き写しの夫にもよく似ている。
お世辞にも、将来イケメン御曹司には育ちそうにない。
ここまでくると、熊澤家の血は相当に濃いのだろうかと心配になってくる。
「とにかく、健康であればいいじゃない。」
無理矢理に話を纏めてみれば、夫も同調する。
「そうだな。元気であれば、それで十分だ。」
そう言って微笑みを向けた先では、錬が「喉乾いた!」と言ってテラスへと上がって来ていた。
「ジュースがあるから、手を洗っていらっしゃい。」
錬に声を掛けると、「はーい」と元気よく返事をして走り去っていく。
奥では、家政婦の仲本さんが「坊ちゃん、こちらですよ」と待ちかまえていてくれた。
「お義母さん、ありがとうございます。」
司紗さんが、ゆっくりとこちらに歩いてくる。
つわりは軽くなったと聞いていたが、まだ少しつらいのだろう。
「司紗さんも座って。ルイボスティーを淹れたから、ゆっくりしてね。」
「わあ、うれしい。実は、私も喉がカラカラで。妊娠中って、本当に体調が分からなくって。」
そう言って微笑む彼女は、相変わらず可愛らしく、思ったことを包み隠さず話してくれるので気持ちがいい。
「二人目は、どうやら女の子らしい。」
息子の竣がそう告げると、夫は「そうか」と目を細めた。
「錬(れん)は、弟がいいって言ってたんだけど。」
そう言いながらも、息子はうれしそうだ。
それに水を差すように、夫が余計な一言を口にする。
「お前に似ないといいな。」
私は思わず吹き出した。
「母さんまで…。俺だって、司紗に似てくれることを心底祈ってるよ。」
息子は少しムッとしながらも、本当に心配しているのか、その顔は真剣だった。
息子一家は少し離れたマンションに住んでいるが、時々、休みの日にこうしてふらりと遊びにやってくる。
庭では三歳になったばかりの孫の錬が走り回っていて。
それをお腹が少しだけ膨らんできた司紗さんが「走るときはちゃんと前を見て」と注意していた。
錬の顔は、竣のそれと瓜二つだ。
そして、自動的に竣と生き写しの夫にもよく似ている。
お世辞にも、将来イケメン御曹司には育ちそうにない。
ここまでくると、熊澤家の血は相当に濃いのだろうかと心配になってくる。
「とにかく、健康であればいいじゃない。」
無理矢理に話を纏めてみれば、夫も同調する。
「そうだな。元気であれば、それで十分だ。」
そう言って微笑みを向けた先では、錬が「喉乾いた!」と言ってテラスへと上がって来ていた。
「ジュースがあるから、手を洗っていらっしゃい。」
錬に声を掛けると、「はーい」と元気よく返事をして走り去っていく。
奥では、家政婦の仲本さんが「坊ちゃん、こちらですよ」と待ちかまえていてくれた。
「お義母さん、ありがとうございます。」
司紗さんが、ゆっくりとこちらに歩いてくる。
つわりは軽くなったと聞いていたが、まだ少しつらいのだろう。
「司紗さんも座って。ルイボスティーを淹れたから、ゆっくりしてね。」
「わあ、うれしい。実は、私も喉がカラカラで。妊娠中って、本当に体調が分からなくって。」
そう言って微笑む彼女は、相変わらず可愛らしく、思ったことを包み隠さず話してくれるので気持ちがいい。