極甘上司に愛されてます


『実は今……北見と付き合ってる』


包み隠さず打ち明けると、菊爺は驚いたように瞬きを繰り返した。


『北見って……あの北見さんか?』

『ああ、たぶんそれだ』

『い、いつからだ……?』


……そんなに驚くことか?

なぜか動揺したような素振りを見せる菊爺を不思議に思いながら、俺は答える。


『こないだの連休中。アイツが彼氏に浮気されてるってのがわかって……黙ってられなくなってな』

『なんてことだ……もっと早く教えんか、馬鹿者!』


入院患者とは思えない剣幕で俺を叱りつける菊爺。

なんなんだよ一体……

俺が誰と付き合おうが、今までだって逐一報告してたわけじゃないだろ?


『……俺は、あの子に余計なことを言ったかもしれん』

『余計なこと……?』

『ああ。……お前に惚れると不幸になるから、やめておけとな』


不幸に……。

ああ、菊爺は留美とのことを知ってるからか……


『北見は、なんて言ってた?』

『……それを聞く前にお前が彼女を呼び戻したんだ。……まあ、今もお前と仲良くやってるなら、年寄りの戯言と聞き流してくれたんだろう』


……本当にそうだろうか。

そうならいいけど、アイツはすぐ悩みを一人で背負い込むからな……


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