極甘上司に愛されてます
また来るのか……
うんざりしながら編集部に戻ると、取材から帰ってきたらしい佐藤はいたのに、北見の姿は見えなかった。
たまたま席を立っているだけ――その時はそう思って気に留めなかった。
……でも、そうではなかったんだな。
それを知ったのは、予告通り、美緒がまた俺に会うため会社に現れたときだ。
*
今日は彼女を建物の中に入れずに人目のある場所で話そうと決め、外で立ち話をしていたのだが、美緒は前より切羽詰まったような様子だった。
もう、こっちも手の内を全部見せるしかない……
そう思って、俺は付き合っている人がいることを美緒に告げた。
『それが本当なら名前を教えて』
そう迫ってきた美緒に北見の名を聞かせると、彼女はなぜかいっそう感情が乱れたような表情を見せて――
『編集長!』
『……北見』
俺の呟きで、会社の中から出てきた人物が北見亜子だと悟ると、不気味なほどの落ち着きで北見と対峙した美緒は、ありえない嘘をつらつらと並べ、北見を傷つけていった。
けれど、それは美緒だけのせいじゃない。