俺様富豪と甘く危険な恋
「ひどいですっ! 人の命をおもちゃみたいにっ……っ……弄ばないで……っは……」


蓮の胸をボカボカと両手で叩いていると、手首を掴まれ動きを封じられる。


「すまない」

「言ってくれれば……っ……よかったのにっ……」


子供のように泣きじゃくりながら、蓮の腕を振りほどこうとした。


「離してっ……」


蓮から離れようと身体を乱暴に動かしていると、視界が暗くなり意識が遠のいていくのを感じた。


「ひどい……人……」


そこで栞南は完全に意識を手放した。


「おいっ!?」


蓮はぐったりとなった身体を抱き寄せる。


「医師に診せますか?」


ボディーガードたちに指示をしていたダニエルが蓮の元へやって来た。


「いや、大丈夫だろう」


しっかり脈は打っているのが、蓮の手に伝わってくる。

蓮は栞南を抱き上げると、ポルシェに乗せた。

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