俺様富豪と甘く危険な恋
主寝室の開け放たれた窓からそよそよと風が栞南の頬を撫で、ゆっくり瞼を開けた。


「レン……」


蓮が隣に仰向けになり、分厚い本を読んでいた。


「起きたのか」


蓮はサイドテーブルに本を置くと、栞南の額に手を置いて熱を確かめる。


「ずっといてくれたの?」

「ああ。大事な奥様が心配だったからな。離れられなかった」


両手で柔肌の頬を囲み、蓮は唇にキスを落とす。ちゅっと口づけられ、離れていく蓮に栞南は微笑む。


「大丈夫だよ。クラゲに刺される人なんてたくさんいるし」

「最初だから軽傷で済んだが、次からはひどい状態になるかもしれない。海へ入るときは必ず俺か誰かがいるときじゃないと入らないでほしい」

「うん。刺されたとき、吐きたくなるくらい痛かったから、当分海には近づきたくないけど」


まだ痛痒さが残っていて、不快感があった。


「下へ行こうか。腹が減っただろう?」

「あ、先に行っててね。お風呂に入りたいの」


なんとなくまだクラゲが足に張り付いているような感覚があり、シャワーよりもバスタブに入って払しょくしたいと思ったのだ。

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