もう一度、恋をしよう。
真央は更に体重を掛けるようにフェンスへ俺の身体を押しやり、身動きが取れないようにする。
俺は目線だけを下げると、真央の表情は今まで見た事のないくらい鋭いものだった。
怒りに震える真央の手が、俺のワイシャツを微かに揺らす。
「…無駄って何?
気持ちを伝えても無駄って、どういう意味よ!!」
至近距離に迫った真央の顔を俺は直視出来ない。
「…そうやって、いつまで逃げるつもり?
自分の気持ちから目を逸らして、何もかも無かったようなフリをするの!?」
ワイシャツを掴む手が解かれたと思ったら、グイッとネクタイを引っ張られる。
態勢が崩れて少し前のめりになった瞬間、唇に温かい感触の物が触れた。
真央にキスされたんだと理解するには、時間が掛かった。