ギャル系女子が今日、黒髪おさげでやってきました。
あたしらは1年だから靴箱はあたしらの教室からだいぶ離れたところにある。
しかも正面玄関だ。
あたしが靴を履き替えていると、中庭の方から痴話喧嘩のような声が聞こえてきた。
「ふぇえ……誰か喧嘩してるよぉ……」
先にでていた仁香が泣きながら戻ってきた。
「いや、泣くほどじゃ……」
あたしが目線を仁香から中庭に移したとき、1人泣きながら走って行くのが見えた。
「杏里………」
「え?千鶴ちゃん?」
「今の、杏里だよ!泣いてたし!」
「え、じゃあ喧嘩の相手って……」
おそらく………
「里原、だね。」