手を繋いで-Pure love-
 しばらくして、涼太達が来た。



「やっほー、優生!昨日ぶりだね」

「当たり前だろ、昨日まで学校だったんだから」



 当たり前のように笑い合う。
 まるでいつもの放課後みたいだった。

 そう思ってると涼太が口を開いた。



「てか優生、入ってもいい?あっちーよ」



 手で顔をぱたぱたと仰ぎながら俺の家を覗き込む涼太。



「…あれ?誰その子」



 涼太の声に振り向くと
 蒼が廊下に立っていた。

 目が見えないから壁を触りながら俺のほうに向かってくる。


 いくら慣れた場所だとは言っても
 それは7年前の話だ。


 一歩進む度にはらはらしてしまう。



「ゆ、優生…?」



 蒼が焦った様子で俺の名前を呼んだ。

 どこか行きたいのか?



「どうした、蒼」

「ごめんね、トイレ…どこだったっけ?」



 そう言って俺を探してる。

 その様子を、涼太達が不思議そうに見ている。

 目を閉じていることも
 トイレが目の前にあることに気づかないことも


 全部不思議がってる様子だった。 




「ああ、ここだよ。」

「ありがとう」



 そう言って蒼はトイレに入った。
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