手を繋いで-Pure love-
「あ、ごめんみんな。入って。」

「あ…ああ、さんきゅ…」



 少し呆然とした表情のままみんなが俺の家に入ってくる。

 俺とすれ違うとき、涼太が小さい声で「ちゃんと説明しろよ」と呟いた。
 …まあ、そうなるよな。



「飲み物は、オレンジジュースでいいか?」


「やった、私の大好きなオレンジジュース!」

「志帆はジュースならなんでも好きでしょ」



 嬉しそうに笑う志帆に冷静にツッコミを入れる愛美。
 この雰囲気の方が、俺も話しやすい。

 ちょうど、蒼も戻ってきた。



「蒼、ソファーに座って」



 蒼が手探りでソファーに座った。



「この子は、蒼。7年前に離れたっていう俺の幼馴染み。」

「あ、君が蒼ちゃん!?」



 涼太が蒼との距離を詰めようとするのを阻止した。
 女好きの涼太がこんなに可愛くなった蒼に注目しないはずがない。



「は、初めまして…。ごめんなさい、私…事情があって目が見えなくてみんなの顔が分からないんですけど…」



 そこまで言ったところで俺が割り込んだ。



「しばらく、この付近に住んでるんだ。仲良くしてやって」



 俺のその言葉に一番に反応したのは志帆だった。

 いつものような満面の笑みで
 嬉しそうに立ち上がって



「当たり前じゃん!蒼ちゃん、私志帆っていうの!よろしくね!」



 蒼の手を握ってぶんぶん振った。

 志帆なりの握手だと思う。



「わざわざ頼まなくても大丈夫だと思うけどね。私は愛美。よろしく」

「そうだよ優生。私は梨緒菜だよー!」



 それぞれが一人一人声を出して蒼に自己紹介をしていく。
 こいつらのこういうところ、本当にほっとする。



「で、俺が優生の親友の涼太。女好きで知られてるから気をつけてね、蒼ちゃん!」


「自分で言ってるなら世話ないね」

「ほんと、気をつけてね蒼ちゃん」



 ふざけた涼太の自己紹介も終わって、蒼の顔には笑顔が浮かんでいる。

 それを見てとても安心した。
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